「商品を気に入ってくれたはずなのに、その後の商談が進まない」。
面談の手応えを、どのように社内へ報告していますか。「反応が良かった」の中身を少し分けてみると、次に確認したいことが見えてきます。
今回は、好意的な言葉を受け取った後、具体的な検討へ進むための会話を考えます。

1. 好反応だったのに、連絡が途切れる
例えば、展示会で知り合った企業に商品を紹介する場面を想定してみます。相手は説明を熱心に聞き、「興味があります。資料を送ってください」と話しました。
帰国後に会社案内と商品一覧を送ったものの、返信が来ない。そこで「その後いかがですか」と連絡しても、状況が分からないまま時間が過ぎる。
この段階で、相手に買う気がなかったと決めるのは早いかもしれません。用途に関心があったのか、将来の商品候補として知りたかったのか、社内で提案したいのか。まだ、興味の向き先が分かっていないからです。
国民性や商習慣だけで説明しようとすると、確認できる条件を見落とします。まずは、その会社が何を検討しているかを言葉にしてもらいましょう。
社内の案件記録も、「好反応」とだけ残すより、「用途に関心あり、導入時期と評価担当は未確認」と書いた方が、次の会話を準備しやすくなります。
2. 「興味」の中身を、具体的な条件に変える
最初の質問は、「どの点に興味を持っていただけましたか」で構いません。機能、使い方、顧客への提案、既存商品の置き換えなど、相手が見ている価値を確認します。
その答えを起点に、検討条件を具体化します。
- 用途:誰が、どの場面で使う想定か
- 時期:いつまでに何を決めたいか
- 条件:想定する予算や購入量、必要な仕様はあるか
- 評価:資料、サンプル、試用のうち、何が判断に役立つか
これは質問票を一度に読み上げるための項目ではありません。相手の検討段階に合わせて、分かることと、まだ決まっていないことを分けるための目安です。
例えば、サンプルを希望された場合も、送付だけで会話を終えないようにします。誰が使い、何を評価し、その結果を誰と共有するのか。評価の目的が分かれば、使い方の説明や必要資料を合わせて準備できます。
予算や時期が未定なら、その状態をそのまま記録します。未定を無理に予定へ置き換えると、社内の見込みと相手の検討状況にずれが生まれます。
3. 誰が決め、何がそろうと前へ進むのか
目の前の担当者が関心を持っていても、導入には別の部署の確認が必要かもしれません。
ここで知りたいのは、相手の肩書だけではありません。誰が商品を評価し、誰が条件を確認し、誰が最終判断をするかという流れです。
「御社で検討を進める場合、どのような確認が必要でしょうか」「社内へ説明する際、こちらから何を用意すると役立ちますか」。こう尋ねると、相手の進め方に沿って話を整理できます。
技術担当には仕様、営業担当には想定する顧客、購買担当には取引条件が必要になる、というケースも考えられます。すべての相手に同じ資料を送るより、次の判断に必要な情報へ絞る方が、確認の目的が明確になります。
意思決定者との面談を急ぐ前に、窓口担当者と進め方をそろえましょう。担当者を飛ばして連絡することが、検討を早めるとは限りません。相手の社内で説明しやすい形を、一緒につくる視点が必要です。
4. 商談の最後に、次の行動を合意する
商談の終わりには、会話を短く振り返ります。関心のある用途、未確認の条件、次に必要な材料について、双方の認識が合っているかを確かめます。
そのうえで、次の行動を具体的にします。
「こちらから何を送るか」「相手に何を確認してもらうか」「それぞれ誰が担当するか」「次にいつ接点を持つか」。この組み合わせを残してください。
例えば、「用途に合う仕様資料を送り、評価担当の確認後に打ち合わせをする」という進め方なら、資料の対象と次回の議題まで合意しておきます。自社だけが決めた期限を、相手との合意として扱わないことも大切です。
次回日程が決まらない場合は、何が決まれば再開できるかを聞きます。「予算が確定したら」「評価担当が決まったら」など、再接触の条件を記録すると、目的のない催促を減らせます。
合意した内容は、面談後に短く共有します。送る資料が増えるより、双方の宿題が分かることを優先しましょう。
5. まとめ
商談の手応えは、好意的な言葉だけでなく、次の具体的な行動が決まったかで見る。
いま動いている案件を一つ開き、「相手が次にすること」を説明できるか確認してみてください。曖昧なら、そこが次の面談で聞きたい論点です。
DOESのLocaForceは、現地の販路開拓を支援するサービスです。面談から具体的な商談へ進めるための整理や、現地営業の進め方についてもご相談ください。