1.AIで「海外進出」はどこまで変わっているのか。
ここ数年で、海外進出の景色は大きく変わりました。
市場調査・競合分析・現地法規制の整理・翻訳・契約書ドラフト・財務シミュレーション…
かつては数週間かかっていた作業が、AIを使えば数時間で形になる時代です。
「もう人間のコンサルタントは要らないのでは?」
そんな声を聞くことも、正直、増えました。
でも私たちは、こう考えています。
AIでできることは全部AIに任せていい。そのうえで、人間にしかできないことが、より重要になっていく。

2.企業がAIでできることは?
まず、AIが得意な領域を整理してみます。
- 情報の収集と要約:各国の市場規模、業界レポート、規制情報を一気に集めて整理する
- 言語の壁の解消:英語・中国語・タイ語・ベトナム語の資料を瞬時に翻訳し、ニュアンスまで掴む
- シミュレーション:為替・税率・人件費を変数にした損益予測を、何十パターンも一瞬で出す
- ドキュメント生成:契約書のたたき台、社内稟議書、現地向けプレゼン資料の初稿づくり
- 問い合わせ対応:FAQ対応や一次対応を24時間体制で回す
これらは、もはやAIに任せた方が速いし、正確です。
人がゼロから調べて、ゼロから書いていた時間は、これからどんどん圧縮されていきます。
逆に言えば、ここに人の時間を使い続けている企業は、それだけで遅れていきます。

3.企業が人間の行動でできることは?
では、人間にしかできないことは何か。
私たちが現場で実感しているのは、こういうことです。
- 現地で会って、空気を読む:商談相手の温度感、街の活気、競合店の客層は、画面の中には映りません
- 信頼関係を積み上げる:東南アジアのビジネスは、契約書よりも「誰と握ったか」で動くことがまだまだ多い
- 泥臭い交渉:物件の家賃、人材の給与、ライセンス取得のスピード。最後に効くのは粘り強い対面交渉
- 判断する:複数の選択肢が並んだとき、最後に「これでいく」と決めるのは人間
- 責任を取る:失敗したときに頭を下げるのも、次の一手を打つのも、人間の仕事
AIは答えを出してくれます。
でも、その答えを「採用するかどうか」を決めるのは、いつだって人間です。
そしてその決断には、現地で見て、聞いて、握ってきた経験が効いてきます。

4.「肯定」から始めて、価値をアサインする
海外進出支援の現場では、よくこんな議論があります。
「AIに任せるべきか、人がやるべきか」
でも、私たちはこの二択の議論にはあまり意味がないと思っています。
大事なのは、AIを含めたすべての手法をまず肯定したうえで、それぞれに価値をアサインしていくことです。
引っ越しの例で考えてみてください。
物件検索はSUUMOというツールに任せる。
間取り図の比較はExcelで整理する。
でも内見は自分の足で行くし、大家さんとの交渉も自分でやる。
誰も「SUUMOを使うか、自分の足で探すか」なんて二択では考えません。
それぞれに役割があって、それぞれに価値がある。
海外進出も同じです。
市場調査はAIに任せて圧倒的に速くする。
現地パートナー選定は人間が会いに行って判断する。
契約書の初稿はAIに作らせて、最終チェックと交渉は人間がやる。
この「価値のアサイン」を設計できるかどうかが、これからの海外進出支援の質を決めます。

5.設計では終わらない、”実行”まで伴走する
ここまで読んでいただいて、もしかしたら気づかれた方もいるかもしれません。
AIをどれだけ使いこなしても、最後に残るのは「実行」だということ。
どれだけ精緻な戦略をAIが描いても、誰かが現地に飛んで、誰かが契約書にサインして、誰かが初日の朝に店のシャッターを開けないと、事業は始まりません。
私たちダズ・インターナショナルがやっているのは、ここです。
- AIで設計を加速させる
- 人の手と足で実行までやり切る
- その結果から学び、次の判断材料にする
1,500社以上の海外進出に伴走してきた経験は、AIにはまだ持てない「過去のストック」です。
そしてその過去を、AIという最新の道具と組み合わせることで、お客様の未来の解像度はもっと上がります。
評論はしません。
設計図を渡して終わり、でもありません。
「あとはやるだけ」の状態を一緒につくり、一緒に動く。
それが、これからの時代における海外進出支援のかたちだと、私たちは考えています。
AIと人間、どちらかではなく、どちらも。
すべての手法を肯定したうえで、お客様にとって一番効くやり方を一緒に設計し、一緒に実行する。
その伴走者として、私たちはこれからも現場に立ち続けます。
